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精巣腫瘍のおはなし。

精巣腫瘍は、老齢犬に多い腫瘍です。発生は平均9歳以上の犬に多く、猫での発生はほとんどありません。
老犬では、陰嚢内であっても腫瘍の発生がありますが、通常は潜在精巣に合併して生じることが多いといわれています。

潜在精巣って? と思われる方もいるかと思うので、少し触れておきます。
犬では、生まれた時には精巣は陰嚢内には存在せず、生後約30日で精巣の下降が完了するといわれています。
潜在精巣とは、その時期になっても精巣が陰嚢内に下りてきていない状態をさします。
少なくとも、去勢手術の適期となる生後5~6ヶ月齢以降で精巣が陰嚢内にない場合は、潜在精巣であると判断されます。
その場合、精巣は、後肢の付け根の鼠径部皮下、あるいは腹腔内に停留しています。

この状態を放置しておくと、セルトリ細胞腫やセミノーマなどの精巣腫瘍の発生頻度が高くなるのです。
特に、セルトリ細胞腫という精巣腫瘍では、その腫瘍から産生されるホルモンの影響により、脱毛や深刻な貧血などの全身症状を呈するため注意が必要です。

また、陰嚢内の精巣が腫瘍化した場合に比べて、腹腔内の潜在精巣が腫瘍化した場合は、大きくなるまで気づかれにくいという危険があります。
潜在精巣では、正常な陰嚢内精巣に比べてセルトリ細胞腫の発生危険率が20倍以上といわれるので、潜在精巣のわんちゃんでは、なるべく早期に両側の精巣を摘出することが推奨されています。
 
この機会に、わんちゃんの精巣の様子を観察してみることをおすすめします。もちろんオスのわんちゃんに限りですが・・。


先日、腹腔内精巣腫瘍の摘出手術を行った症例です。
このわんちゃんは、脱毛症状と乳房の変化からセルトリ細胞腫が疑われました。
以前から、陰嚢内には精巣が1つしかなかったそうで、現在年齢は10歳です。
腹部超音波検査で腹腔内の腫瘤が確認され、開腹手術により腫瘍化した精巣を摘出しました。
016_convert_20130912194058.jpg 術中写真 腹腔内にあった右精巣が腫瘍化していました。
019_convert_20130912193134.jpg
  腫瘍化した精巣 ↑      ↑ 正常な精巣(萎縮性変化あり)
病理組織検査の結果は、セルトリ細胞腫でした。
現在、被毛の状態も徐々に改善してきているそうです。


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